私は大学卒業後、新卒として入社した企業から採用祝い金というものをいただきました。
採用が決まったあとの研修期間中に、人事部長から1人1人祝い金の明細書が配られました。
自分が社会人になったという実感が沸いて、嬉しくて明細書は今でも大切にとってあります。
しかし企業がどうしてそのような祝い金を下さったのかを理解するのには、私が責任ある仕事を任されるようになってからでした。
仕事にも慣れ2年ほどしたときに、私はリーダーとして現場を任されるようになりました。正直とても負担でしたし、こなさなければいけない業務の量もぐっと増えました。
人と人の間に挟まれて悩むこともありました。やめてしまいたくなる時もありましたが、そんなときふと思い出すのが、企業から祝い金をいただいたときの気持ちです。
社会的経験もなくまだ若い自分を信用し雇ってくれて、その門出を祝ってくれたときの嬉しさを思い出すのです。
そうすると頑張ろう、という気持ちになれました。
その時に初めて、企業が祝い金を渡す意図がわかったような気がしました。
祝い金が新卒者にとって是か非かと問われれば、私はとても良いものだと答えます。